ドローンで海ごみを観測-海洋プラの「官民協力」第4弾

平成31年4月24日環境新聞記事

原田環境相は4月17日、海岸に散乱するプラスチックごみの量を小型無人機「ドローン」で観測・推計する技術を開発する九州大学の磯辺教授らと意見交換しました。海洋プラスチック問題の解決に向けて環境省が進める「官民イノベーション協力体制」の第4弾(これまでの3つ:インターネット通販、適正処理、生分解性漁具)となります。磯辺教授らのグループである鹿児島大学の加古教授は、ドローンを利用した漂着ごみのモニタリング手法を開発しており、今回、磯辺教授とともに原田環境相を訪問したものです。
開発中の技術は、ドローンによる漂着ごみの空撮画像を収集しプラスチックごみの体積を推定する画像解析手法です。4Kカメラを搭載したドローン「ファントム4」が自動で飛行し、空中から海岸の写真を撮影します。そして、写真に埋め込まれたGPSの位置情報からごみの高さを推定、高さと色でプラスチックを抽出し体積を推計した結果、これまでの観測データより誤差が少なく、高精度に解析できるとわかりました。
加古教授は、「ドローンによる観測は比較的簡単なので、地方自治体などでも実施できる」ことから、この技術を活用することで「プラスチックごみ堆積量の正確で迅速な推定が可能になる。」と話しました。磯辺教授は、「いかに精度良く早く観測するかが私たちの生命線であり、この技術に期待している。」と述べ、「自治体がそれぞれドローンを保有し、送っていただいた写真を我々で処理するような運用を考えている。そのために自治体と実証実験できれば。」と展望を語りました。