「プラスチック資源循環戦略」の策定_環境省
令和元年5月31日環境省報道発表(※管理人まとめ)
平成31年3月26日、中央環境審議会(環境省の諮問機関)において、プラスチック資源循環戦略の在り方についての答申が取りまとめられ、環境大臣に手交されました。そして元号が変わった5月31日に、同答申を踏まえ、「プラスチック資源循環戦略」が策定されました。5月31日策定の「戦略」の内容は3月26日の「答申」と同じです。このホームページでも先日「答申」をご紹介しましたが、海洋プラスチックに関連する主な内容を再掲すると、以下のとおりです。
近年、プラスチックほど、我々の生活に利便性と恩恵をもたらした素材は多くありませんが、世界全体で年間数百万トンを超える海洋へのプラスチックごみの流出があると推計され、このままでは2050 年までに魚の重量を上回るプラスチックが海洋に流出することが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。
海洋プラスチック問題に対しては、プラスチック廃棄物対策(リデュース:排出抑制、リユース:再使用、リサイクル:再生利用、その他)を前提に、犯罪行為であるポイ捨て・不法投棄防止の徹底、清掃活動の推進、海洋ごみの実態把握及び海岸漂着物等の適切な回収の推進等により、海洋汚染を防止するとしています。さらにこうした我が国の取組を世界に広め、世界の資源制約・廃棄物問題、海洋プラスチック問題、気候変動問題等の同時解決や持続可能な経済発展に最大限貢献するとしています。
これらのうちリデュース(排出抑制)では、ワンウェイ(1回使用されたら廃棄)のプラスチック製容器包装・製品について、消費者に対する声かけの励行等はもとより、レジ袋の有料化義務化(無料配布禁止等)をはじめ、無料頒布を止め「価値づけ」をすること等を通じて、消費者のライフスタイル変革に関する国民的理解を醸成するとしています。
また、海洋プラスチック対策としては、ポイ捨て・不法投棄防止のほか、2020年までに洗い流しのスクラブ製品に含まれるマイクロビーズの削減を徹底する、地方自治体への支援等を通じて、地域の海岸漂着物等の実態把握や回収処理を進める、海で分解される素材(紙、生分解性プラスチック等)の開発・利用を進めるとしています。
「戦略」では、これらのほか、途上国支援、地球規模でのモニタリング・研究ネットワークの構築などもあげています。
来るG20 では、この「戦略」を踏まえ、我が国の対策を各国に発信し、新興国を巻き込んだグローバルで実効性のある取組の推進に向けて、政府として議論をリードしていくこととなっています。なお、6月4日付の山陽新聞記事によると、原田環境相は「戦略」を踏まえ、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、百貨店でのレジ袋の無償配布を一律に禁じる新たな法令を制定し、2020年夏までに導入へのめどを付けたいとの意向を示しました。