モンゴルで海水魚養殖_岡山理科大
令和元年9月12日山陽新聞記事
岡山理科大は9月11日、カリウムやナトリウムなどを混ぜた人工の飼育水「好適環境水」(工学部の山本俊政准教授が開発)を使い、モンゴルの首都ウランバートルで、海水魚・ハタ類の養殖を始めると発表しました。来年11月末までに同国での試験出荷を目指します。理科大は、国外ではタイとカンボジアでエビの養殖実験を行っていますが、市場流通まで視野に入れるのは今回が初めてです。このプロジェクトは、理科大とモンゴル生命科学大が昨年5月に結んだ教育・研究に関する交流協定に基づく取組で、生き物の生態に詳しい同科学大の教員がアドバイザーを務め、理科大の学生が交代で現地に駐在して、養殖や研究を進めます。
養殖施設は、理科大に協力する現地企業が、映画館であった建物(約390㎡)を改装し、10トン水槽2基と1トン水槽4基、浄化装置などを設置します。養殖するのはハタ科の魚類2種を掛け合わせた「ハイブリッドハタ」で、稚魚500匹を日本から空輸し、養殖を始めます。出荷時には1kg程度に成長する見込みです。
なお、好適環境水は淡水魚と海水魚を一緒に飼育でき、病気になりにくく成長が早い特徴があります。理科大はこれまでにトラフグやクエ、サケなど10種類を国内の市場に出荷しています。