世界の平均海面_2100年に最大1.1m上昇
令和元年10月2日環境新聞記事(抜粋)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、9月25日、「海洋と雪氷圏」に関する特別報告書を公表しました。それによると、温室効果ガスの排出量がこのまま増加し続けた場合(地球温暖化対策が現状のままにとどまる場合)、グリーンランドや南極の氷床融解などにより、世界の平均海面は2100年に最大で1.1m上昇すると予測されています。
そして、このような海面上昇の結果、多くの低地にある巨大都市や小島嶼開発途上国などでは、これまで100年に1回の頻度で発生していた大洪水などの極端現象が、2100年までにほとんどの場所で少なくとも年1回発生するとしています。また、生態系の変化による漁業への影響については、最大漁獲能力は、21世紀末までに1986年~2005年に比べて最大で24.1%減少すると予測され、海洋資源に依存するコミュニティの生計と食料安全保障に影響を与え、コミュニティ間の紛争のリスクを高めるなどとしています。
これらのことを踏まえ、特別報告書では、温暖化対策を大幅に強化し、緊急で野心的な排出削減の重要性を強調しています。