瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申案)_環境省

令和2年2月7日環境省報道発表(※管理人まとめ)

環境省は、中央環境審議会において「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申案)」が取りまとめられたことを受け、この答申案について、広く国民の意見を募集するため、令和2年2月7日(金)から2月28日(金)までパブリックコメントを実施します。

1.答申案について
かつての高度成長時代、瀬戸内海の環境保全を図るため、昭和 48 年(1973 年)に瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、昭和 53 年(1978 年)に恒久法として、瀬戸内海環境保全特別措置法(以下「瀬戸内法」という。)に改正されました。また、同年には、瀬戸内法に基づき、瀬戸内海の環境保全に関し長期に渡る基本的な計画として、瀬戸内海環境保全基本計画(以下「基本計画」という。)が策定されました。
現在、平成 27 年(2015 年)に改正された瀬戸内法及び変更された基本計画に基づき、「沿岸域の環境の保全、再生及び創出」、「水質の保全及び管理」、「自然景観及び文化的景観の保全」及び「水産資源の持続的な利用の確保」に向けて各種施策が実施されていますが、瀬戸内法においては、政府はおおむね五年ごとに基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならないと定められています。これを踏まえ、令和元年6月に環境大臣から中央環境審議会に対し、瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について諮問がなされました。このほど「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申案)」が取りまとめられましたので、同答申案について環境省が国民の意見を募集するものです。

2.意見募集期間等
意見募集期間:令和2年2月7日(金)~令和2年2月28日(金)
意見提出方法:電子メール(添付ファイルは用いない。意見はメール本文に記述する。)、FAX又は郵送
詳細は、次のリンクを参照してください。
https://www.env.go.jp/press/107686.html

3.答申案の概要
答申案は、本文が16ページ(A4版)と別紙(湾・灘ごとの水環境等の状況に係る整理:29ページ)から構成されており、いずれも上記の環境省HPからダウンロードできます。本文の目次概要は次のとおりです。

はじめに
第1章 背景・経緯と現状
1.これまでの環境保全施策の経緯
2.瀬戸内海の現状
(1) 湾・灘ごとの水環境等の状況
(2) 瀬戸内法の施行状況等
第2章 今後の瀬戸内海における環境保全の方策の在り方
1.基本的な考え方
2.各課題と今後の方策の在り方について
(1) 栄養塩類の管理等による生物の多様性及び生産性の確保
(2) 瀬戸内海全体の水環境を評価・管理する制度的基盤
(3) 地域資源の保全・利活用に係る取組の推進
(4) 漂流・漂着・海底ごみ、気候変動等の課題に対する基盤整備
おわりに

4.管理人の個人的な感想
瀬戸内海の環境の現状や瀬戸内法の概要を知るための資料としても、有用な文書だと思います。内容については、近年言われている「水質を良好な状態で保全するとともに、生物の多様性及び生産性が確保された『豊かな海』を目指す」、「世界全体で取り組まなければならない漂流・漂着・海底ごみ対策や気候変動の影響評価、これに対する適応といった視点も重要」といった方向性が示されています。近年はマスコミで取り上げられる頻度が減少している(ように感じる)海洋汚染や漁業被害が過去の問題ではないこと、湾・灘ごとのきめ細やかな対策が必要であること等が述べられており、瀬戸内海の環境保全についての施策の方向性を把握するためにも、勉強となる答申案でした。