近年、海洋ごみの中でも特に問題視されているのが、プラスチックごみです。海ごみ問題に詳しい磯部作氏(放送大学 客員教授)のお話(2018年11月23日、岡山県主催「瀬戸内海 海ごみフォーラム」)によると、世界中の海のプラスチックごみの総量は、約1億3,000万トンになり、しかも年々増え続けています。今後10年ほどでプラスチックごみの総量は2億5,000万トンにまで近づくことになり、この量は「海にいる魚3トンにつきプラスチックごみ1トン」の割合になります。2050年には魚とプラスチックが同じ量になるとさえ、いわれています。
世界的にもマイクロプラスチックが、2015年のG7エルマウ・サミット(ドイツ)あたりから世界的に問題視されています。マイクロプラスチックは、ペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみが、太陽の紫外線や波の力で壊れて5ミリ以下にまで細かくなったものです。有害物質が付着しやすいこと、魚などに誤食されやすい(最終的に人体に入る危険性がある)こと、細かいため回収が困難であること等から、新たな環境への懸念材料となっています。
2018年6月にカナダで開催されたG7シャルルボワ・サミットでは、「海洋プラスチック憲章」が発表され、プラスチック対策が謳われました。日本は国内法との対応の観点から署名していませんが、議長国を務める2019年開催の大阪サミットに向け、販売業者などのプラスチック類の使用規制など、対応を始めています。